大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)5898号 判決

酌せらるべき重要な事実の一であることはもとよりであるからこれを裁判に反映させるためにはその立証を必要としその立証のために、冐頭陳述においてこれを明らかにすることは、なんら刑事訴訟法の精神にもとるところとは考えられない。勿論前科の事実と雖も証拠とすることができず、又証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いてこれを陳述することは所論のように裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のあることが多いであろうからその虞のあるときは刑事訴訟法第二百九十六条但し書の規定により冐頭陳述においてその事実を明らかにすることは禁止せられておるものといえるであろうけれども、本件の場合においては記録上かかる禁止の場合にあたつていないこと明らかであるから冐頭陳述において前科の事実が明らかにせられたことを目して刑事訴訟法第二百九十六条に違反すると非難する論旨は採用できない。

それゆえ論旨は理由がない。

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